サンフランシスコでUberに乗ってみた

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今回はキャリアや教育ではなく、テクノロジーのお話。

新しい形の「タクシー」サービス、Uber。日本にもひっそり上陸と記事になっていましたが、先日サンフランシスコを訪れた際に郊外で使ってみたので経緯と面白かったことをメモしたいと思います。

スマホで現在地と行き先を入力する

まず、乗ってみた時の話。あらかじめ、Uberアプリをダウンロードして、自分のクレジットカード番号を入力しておきます。そして、現在地をGPSで入力して行き先を入力。料金の目安が表示されます。まわりにいるUber登録車両がアプリの地図上に表示され、呼んだら何分で来てくれるかもわかるので便利。

車を呼ぶと?

車を呼ぶボタンを押すと、一台の車が反応!GPSでこちらに向かってくるのが見えるので何だかワクワクします(笑)。面白いのは、呼んだ車のドライバーの名前、顔写真、評価がこのタイミングで見えること。もしも「何かこのドライバー嫌だな〜」と思ったらここでキャンセルできるのでしょう。

車が着いたら知らせてくれるので外で待っていなくていい

車が到着するとテキストで知らせてくれるので、外で待っていなくて問題ありません。私はついついアプリの地図を見ながら外で待ってしまいましたが。

ドライバーがいきなり私の名前を呼んでくれる

近づいてきたあの車かな?と思ったら、ドライバーが窓を開いて私の名前をいきなり呼びます。なるほど、向こうにも私の名前が伝わっているわけね。というわけで、迷いなく乗車。

ドライバーはGoogleマップ道案内を使い、目的地に連れて行ってくれる

このドライバーさんはUber業をやりはじめたばかりということで、Googleマップを見ながらドライブして私の宿泊するホテルに連れて行ってくれました。決済はあらかじめ登録したクレジットカードでなされるので、無事着きいたOKボタンと、ドライバーの評価を入力して、下車。タクシーとは違いチップはなしです。

1回乗ってみただけで、タクシーと違うことがいくつか感じられました。

タクシーと顧客のマッチングが効率的

流しを拾うとか(私がいた郊外には流しのタクシーは皆無でした)、電話で呼ぶよりも、アプリでタクシーも自分も場所がクリアで最寄りのタクシーを自動マッチングで呼んでもらえる方が圧倒的に効率的。最寄りのタクシーが来るのに何分かかるよと呼ぶ段階ではっきりしているのもいいですね。タクシー側からしても、流すより効率よく顧客を拾えるでしょう。

ドライバー個人に評価がつき顧客はドライバーを選択できる

個人的にタクシーの最大の問題と思っていたのは、ドライバーのレーティングを選択できないこと。アメリカで極端にひどいドライバーに当たったことはありませんが、日本だととにかくしゃべり好きのイマイチなドライバーがたまにいました。タクシーでそういうドライバーに当たってしまうのは、タクシードライバーと顧客は一期一会で、ドライバーの評価ができないからです。Tripadvisor前の海外旅行のホテルと同じです。でも、Uberは個人に評価ができるので競争原理が働きます。これは、努力をするドライバーにも、選ぶ乗客にも、良い仕組みだと思いました。

タクシーを拾う場合にはもうひとつ、「そのドライバーが本当に信頼できるか?」という点も事前に気になったりします(新興国ではセキュリティ面からクリティカル)。そういった面も含めて、Uberだと個人のレーティングができるので解決しやすいかもしれません。

ドライバーに親近感がわく

顔も名前も事前にアプリで確認できるので、ドライバーに何となく親近感が湧きます。乗車中にいろいろと話し、下車時には握手して降りてきました(笑)。

Uberは副業しやすい

「あなたはUberフルタイム?」「これは副業。昼間は別にフルタイムの仕事をしているよ」なるほど、Uberは副業にも使えるのですね。Googleマップでナビがあれば別に道にもの凄く詳しくなくても大丈夫と。

個人の車に乗せてもらうのは、タクシーに乗せてもらうより何となく嬉しい

「この車はあなたの車ですか?」「いや、妻のなんだ。自分の車は汚くてお客さんを乗せられないよ」何となく、個人の車に乗せてもらうのはタクシーに乗るよりも嬉しいです。お金を払ってはいるんだけど、相手と少しプライベートな関係になれた感じ?

既存のタクシーの仕組みをリプレイスできる新しい仕組み

タクシーはどこの国でも免許制で総量規制があることが多いと認識しています。例えば、ニューヨークのタクシー免許は希少価値が高くて価値が高いとか。

しかし、タクシーが免許制で総量規制に依っている背景を経済学的に考えると、1)乗客の側からすると情報の非対称性が高く、免許がなければ安全が担保できない(素性のわからない車には乗りたくない)、2)タクシーの側からするとドライバーによる差別化(情報の非対称性)や効率化(どこに乗客がいるかわからない)が難しいので、総量規制して価格を維持してもらわないと稼げない、ということなのかなあと。Uberのような仕組みはこの両方の問題を解決できるので、とにかく大量に需要のある場所(空港や大型駅など)に流しは残るものの、他はこのような配車システムに置き換えるのが合理的なような気がします。

個人の車をパートタイムで使えるというのもサンフランシスコで実際に使ってみて感じた面白い発想で、特に田舎でずっと駅前に同じ車が待っていたり、あるいは夜には車が一台も走っていなかったりというのはドライバーにも乗客にも良いことがないですから、そういう無駄が多いところでは個人の車+パートタイムというリソースの再配分も社会的問題解決の一つの有効な選択肢になりそうです。

業界の競争ということで言うと、短期的には複数の配車プラットフォーム(使ったことはありませんが、日本では日本交通タクシー配車という仕組みもあると聞いたことがあります)が、傘下のタクシーのクオリティや便利さで競争し、中期的にはいくつかのドミナントなプラットフォームに収斂され、プラットフォーム間というよりはそれぞれに所属するタクシー(コンテンツ)が競争するような感じになるんでしょうか。しかし、会社のページを見ると凄い投資家ですね。。。

* Image courtesy of mapichai / FreeDigitalPhotos.net