Personal Philosophy

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Original: Jean-Pierre Dalbéra/Flicker

先日も触れたDavis教授の授業で、今度はPersonal Philosophyという考え方を学びました。とても面白いと思ったので、ご紹介したいと思います。

Personal Philosophy(パーソナル・フィロソフィー)

  • Personal philosophy can be viewed as someone's definition of "how the world works"
  • It also includes concepts or principles that motivate and inspire
  • Not living accordingly to these principles would be seen as diminishing one's life
  • People often express the desire to pass along their values to succeeding generations

(日本語訳)

  • パーソナル・フィロソフィーは、人の「世界がどのように動いているか」への見方を表している
  • パーソナル・フィロソフィーは、人を動機付けインスパイアする考え方や原則を含んでいる
  • パーソナル・フィロソフィーに沿って生きないことは、人生の価値を減じているように感じられる
  • 人は、しばしば自分の価値観を次の世代に伝えようとする

世の中への見方と個人の価値観は表裏一体

特に面白いと感じたのは、「個人の哲学」は、個人の世の中に対する見方であると同時に個人が何を大事にするかでもあるとされていることです。ここで、私の哲学について詳細を説明することは控えさせていただきますが(笑)、ちょっと自分が仕事で関わった人や学校の友人の顔をいくつか浮かべてみただけで、「きっとあの人は私とは世の中に対する見方も大事にする価値観も違うんだろうなあ」ということが浮かんできます。哲学がまったく異なる人同志が近くにいすぎるとあまり幸せなことにならないような気がしますし、逆に親しくなる人はある程度パーソナル・フィロソフィーを共有しているような気がします。

授業では、哲学は「組織」が変わる上でもキーになるという文脈で話が展開していきました。会社や学校、あるいは国という単位で、私たちはそれぞれどのような哲学のもとに日々を過ごしているでしょうか。組織の哲学は、あなたの個人の哲学と合っているでしょうか。合っていないのであれば、どうしますか。あなたの哲学を変えるか、組織の哲学を変えようとするか、組織の外に飛び出すか。組織が変わらなければならない時に、何を変えなければいけないか、を考える上でも、参考になる考え方だと思います。

個人の哲学はいつ形成されるか

ここでもうひとつ考えたのは、個人の哲学はいつ形成されるかということです。思い返してみると、私の哲学はその8割は大学の卒業時点までには出来上がっていたと思います。まだ社会に出ていないのでぼんやりしていましたが原型は大学卒業時にはすでにあり、それがいろいろな経験を踏まえて形になっていったというイメージでしょうか。6割ぐらいは、大学入学時点ですでに出来ていたのかもしれません。きっと、人のコアの部分は子供の頃からそんなに変わらないのでしょうね。留学に来て、価値観が広がったとは思うのですが、それもぼんやりとすでにあった自分の哲学が留学という経験を経て形になっただけで、究極的には私の哲学は留学を経ても変わっていないのかもしれません。

関連して、大学の役割とは何なのだろうということを時おり考えるのですが、個人の哲学を熟成させること、言い換えれば人格的成長を促すことが大学のひとつの大きな役割なのだろうなと最近思うようになりました。オンライン教育が大学をどのように変えるかという議論がアメリカでは特に2012年に盛んに行われましたが、少なくともオンライン教育が大学を消滅させることはないと思います。オンライン教育は、ハードスキルを育成するには優れていますが、人格的形成を促すのに用いるのは極めて難しいからです。