シカゴは寒く、ボリビアは高かった

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Original: Rupert Taylor-Price / Flickr

唐突ですが、タレントのイモトアヤコさんがエベレストに挑戦を行っていました。しかし、多数の現地シェルパが巻き込まれる雪崩がエベレストで起きた影響で今年の挑戦は中止となりました。シェルパの地位や待遇の改善は長年の課題とされており、この悲劇を乗り越えて地元の人々により良い環境が整備され、登山が再開されることを願いたいと思います。

さて、イモトさんはテレビの企画で世界の山々に登り続けているわけですが(視聴率が高いらしいのでご存知の方も多いかもしれません)、この番組を見ながら「山のエキスパートが豪華についていることを多少割り引いても、イモトアヤコは本当に凄い」といつも思っています。私には絶対にできません。そう思うのはシカゴ生活と南米に旅行をした時の経験を踏まえてでして、マナスル登頂を見た時に「これは絶対に自分には無理」と思った理由を、自分の留学中の体験を踏まえて3つあげてみたいと思います。

高所8,000mは(たぶん)とんでもないところ

旅行でペルーとボリビアに行き、地上3,000〜4,000mの地域で何日か行動しましたが、たった4,000m程度でも高山病になる人はなるし、体は重くなります(4,000mを越えた地域にいたときは、「自分はいま富士山よりも高いんだな〜」と思ったものです)。それを、8,000mに行くというのは、それだけでもアンビリーバブルです。酸素ボンベを付けて寝る環境など想像できません。

体感マイナス30度とか40度とか寒すぎる

「体感マイナス30度!」とか出てきますが、これは本当にとんでもない世界です。シカゴに住んでわかったのは、マイナス10度まではわりと普通に生活できる、マイナス15度まで行くと寒くて顔に素肌を出して10分以上歩くのはやや辛い、マイナス20度を下回ると寒さに強いシカゴっ子も凍傷を警戒して外を出歩くのを最小限にするようになる、ということです。マイナス15度で強風が体に吹き付けると体感マイナス30度ぐらいになりますが、これは本当にシンドイです(シカゴはWindy Cityと呼ばれており、残念ながら冬も強風が吹く日があります)。シカゴなら10分歩いたらコンビニで暖をとって休憩できますが、山ではそんなこともちろんできないわけで、私からするとそんな環境をひたすら歩くなんてクレイジーです。

ちなみに、マイナス15度ぐらいまで行くと、タオルを濡らして外で回すと凍る!というやつができます。シカゴに来た時にシカゴ在住者に言われたのは、「Fashion dies in Chicago in the Winter」でした。シカゴでは冬は防寒対策でみんな着膨れするので、ファッションどころではない、というわけです。

マイナス10度〜20度でテントで寝る

テレビで見て一番しんどいと思ったのはこれです。ボリビアで安宿に泊まって、室温0度〜5度ぐらいの場所に寝たのですが、防寒のジャンパーを着て着膨れして横になっても、寒くて2時間連続で寝ると目が覚めてしまい、体があまり休まりませんでした。その時は本当に、寒い中で寝るってこんなにツラいんだと思いました(マジで)。マイナス10度〜20度とは、シカゴの真冬に外で寝るようなものです。シカゴの真冬は、乞食も凍死しないように外で寝ずに公共施設に退避します。それを何日も山の中でするって、凄すぎます。

ああ、シカゴと南米で感じた寒さと高さに対する良いまとめになりました。このような挑戦をされるイモトさんは凄いと思います。プロのアドバイスを受けて安全には気をつけて、是非もう一度頑張って欲しいなと思います。

いや〜、しかし、シカゴの真冬に外でテント泊するのは無理だな。。。無理だ。