読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

「何か、ピンと来ないんだよな~」

f:id:career-mountains:20150322004434j:plain

Original: Flickr/Pascal

私は会社で今、所属部署のプロジェクトについて若手メンバーの人繰りを決める立場にあります。先日も、同僚とどのプロジェクトに誰を配置するかといったことを検討していたのですが、その時にふっと自分から出た一言が、「何か、ピンと来ないんだよな~」でした。そして自分で言った後にハッと気づいたのですが、これとまったく同じことを自分の昔の上司がよくブツブツとつぶやいていました。

で、「何か、ピンと来ない」というのはどういうことかというと、今、目の前に広げている人の配置表で、それぞれのプロジェクトなりがうまくまわる+メンバーが仕事に満足できることがイメージできないということだったようです。この一言をつぶやいた時、「プロジェクトがうまくまわる条件」として、自分は無意識に次のようなことを考えていたようでした。

各プロジェクトがスキルセットとして円滑にまわる必要がある

当たり前ですが、ひとつひとつのプロジェクトは重要な仕事なので円滑にまわらなければなりません。したがって、チーム全体としてスキルレベルが必要条件を満たすように人を配する必要があります(熟練のリーダーの下には経験の浅いスタッフがいてもよいが、逆に経験の浅いリーダーの下にはそれをサポートできるスキルレベルの高いスタッフがいる方が無難、など)。また、案件によってどのようなスキルセットがプロジェクトで求められるかも違ったりするので、そういった点も配慮します。

各プロジェクトが相性としても円滑にまわる必要がある

またこれも重要なのですが、人には相性があります。それは主に性格や仕事の進め方の違いに起因するものですが、同じ仕事のできるAさん、Bさん、Cさんがいても、AさんとBさんが一緒に仕事をすると円滑にまわるが、AさんとCさんは一緒に仕事をするとよくケンカする、といったことは現実にあるわけです。したがって、相性も考える必要があります。また、顧客にもタイプがあるので、顧客との相性も大事になります。

若手メンバーの成長が促されることも重要

組織としてレベルアップするには若手メンバーの成長が欠かせず、それも人の配置を考える際に重要です。いろいろなリーダーとともに若手が仕事をする機会を用意する、ある課題を克服するのに適した仕事やリーダーのもとにその人をアサインする、といったことです。

これらをすべて言葉にするのは難しいので、感覚的な判断も重要になる気がする

「何か、ピンと来ないんだよな~」というセリフは、この3つの要素が全部かみ合った状態にどうも目の前の人繰り表がなっていないようだ、という感覚から漏れた一言でした。しかし、スキルセットや相性といったものをすべて言葉にするのはかなり難しいし、配置のパターンは無限にあるのでそれをすべて検証するようなことももちろんできません。したがってここから先は、「何がピンと来ないんだっけ?」というのを一つ一つ言葉にして、それを解決するように目の前の図面を書き換えていき、関係者の意見もポイントポイントで聞きながら、最後は「ん~、なんだかこれで良い気がする!」と思えたところで決定します(実際には、案を私が作って上司の承認を得ます)。

たぶん、私の前の上司が「ピンと来ない」とつぶやいていたのも、同じようなことを考えていたのではないかと想像します。その上司は人を育てるのが上手で、「こんなふうに人を投入しちゃう?」と現場で思うこともありましたが、終わってみるとプロジェクトはうまくいき人も育っている、そんなことを実現する人でした。きっと上司の目には、部下のクセやレベルが見えており、部下をどう組み合わせて化学反応を起こすか見ていたのでしょう。その人と同じ水準で物事と人が見えているとは全く思えませんが、そのような上司を横で長く見ていると似たような発想にはなるのかもしれません。

なお、私の場合はプロジェクトとリーダーは所与として若手メンバーの配置を考える立場にあるので上記のようなことを考えますが、そもそも顧客からどのように仕事をいただくかというひとつ上のレベルで考えれば、同様に顧客との関係や相性を考えながら営業的な視点も交えてリーダーを配するでしょう。しかし、相性の判断というのは客観的に答えが出るものではありませんし、何を重視して人を配するか(たとえば、これまでの顧客との関係の深さを重視するか、何か新しい取り組みを新しい人ですることを重視するか)も、おおいにセンスによるところが大きいと言えます。私は人事の経験はないので何ともいえませんが、世の中には人事のうまい人とうまくない人がいるそうです。人事がうまい人というのは、人を見る目と化学反応のイマジネーションにセンスがある人なのかもしれません。