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仕事と就活の原理原則(2)~会社が見ていることは3つある

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Q:「この会社にはこんな話をするとウケがいい」「多数のOBOG訪問をすると内定に有利」など、就活にはいろいろな噂がありますが、何が本当なのかよくわかりません。会社は、何を見て採否を判断しているのでしょうか。

A:会社は、3つのことを見ています。

総合商社でされた質問

さて、また私の昔話。ある総合商社の面接で、「あなたは、営業、企画、調査のどれに向いていると思いますか?」と質問されたことがあります。

考えたこともない質問で(それは、OBOG訪問を大してしていなかった当時の私が悪いのですが)、うーんと考えた後、「どれもできると思います!」と威勢よく答えたのは良かったものの、その理由をうまく説明できず、面接官のおじさまは困ったような顔をして次の質問へ。そして、あえなく私は次の面接に進めなかったのでした。(こうやって思い返すと、どうも私の就職活動は今の若い方と比べるとかなり準備不足で失敗ばかりだったようです…)

さて、この面接官は何を聞きたかったのか。私は、企業が面接で確認したいことは、シンプルに整理すれば3つしかないと思います。

その1:あなたに当社で活躍する能力や資質があるか?

当たり前ですが、対価をいただく分、仕事ではアウトプットを出さなければなりません。仕事は一人ではできませんが、さりとて自走できなければそれはそれで仕事になりませんので、その業界、さらに言えば特定の職種(営業、企画、経理など)が求める仕事をこなす能力や資質があるか?が大きなポイントになります。

業界によって求める能力・資質は違います。金融機関では数字が(ある程度は)扱えないと困るでしょうし、海運会社なら英語ができた方が有利でしょう。業界による違いもさることながら、職種による違いも非常に大きいものです。営業であれば、コミュニケーションをとることが好き(少なくとも嫌いではない)である必要があるでしょうし、法務は論理的思考力が高い人でなければ務まりません(日本企業への新卒就職活動が「就社」の構造になっているという事情はあるものの、学生さんは「職種」の重要性を理解していないことが多いです)。

その2:あなたは当社の社員とうまくやっていけるか?

これは、能力・資質よりもフワッとした要素ですが、非常に重要です。

会社には、カルチャー・社風が必ずあります。会社のカルチャーとは、「何を良しとするか」で決まります。スピードを重視するのか、間違いがないことが重要なのか。仕事が終わったらサッサと帰る職場か、飲み会が多い職場か。朝、始業時間ギリギリに出社すると怒られるか、そもそも始業時間が存在しないか。大きなことから些細なことまで、会社には数多くの「何を良しとするか」があります。

カルチャーには仕事上の必要性から来る要素も多く含まれますが、会社も人の集まりですので、その会社というコミュニティの人と合うか、という要素も大いにあります。やはり、体育会的なカルチャーの会社には、そのカルチャーが好きな人が合うのです(私は、残念ながらそのような会社には合いません)。

その3:あなたは当社に入社してくれるか(そして、長く働いてくれそうか)

その1とその2をクリアすれば、会社はあなたに入社して欲しいと思います。しかし、内定を出しても、あなたは入社してくれないかもしれない。さらに欲を言えば、入社してもすぐに辞めてしまうかもしれない。それでは、人事は困ります。

採用には、「できる人を採ればいいのか、志望の強い人を採ればいいのか」という古典的な問題があり、できる人を口説き落として入ってもらった方がいい、という考え方もあります(経営的にはこの発想が正しいと思います)。が、基本は、入りたいと言ってくれる人に来て欲しいのが採用する側の気持ちですし、口説かなくても来てくれるなら採用予定数が稼げて楽です。というわけで、やはり会社の仕事やカルチャーをそれなりに理解していて、やりたい!と言ってくれるかどうかを、会社は見ています。

ESや面接の質問の裏には、このどれか(複数可)の意図が必ずある

さて、ここで冒頭の「営業か、企画か、調査か」の質問に戻ってみましょう。これは、何を聞きたかった質問でしょうか。私は以下のように推測しています。

  • 本当に、私が志望する仕事を知りたかった(確率1%)
  • ちゃんと足でOBOG訪問をして仕事のイメージが沸いているか、志望度を確かめたかった(確率1%)
  • 質問はただの呼び水で、私の答えとエピソードを通じて私のキャラクターを知りたかった(確率88%)
  • 普段は営業をしていて面接に不慣れなので、とりあえず手元の質問例を読んでみた(確率10%)

この質問をされたのはまだ一次面接でしたから、私のキャラクターを知りたかった、つまり、その1とその2に対応する質問だったと思います。「私は、○○に向いていると思います。なぜなら、××という性格で、△△が好きだからです。例えば、サークルで□□という状況で、◇◇という困難を、◎◎と工夫して☆☆に成功しました。このように、私は△△が好きで、△△が求められる○○に向いているのではないかと思います(でも、御社の▽▽さんのお話しを伺って、○○以外の★★という仕事にも興味があります)」という答えが模範回答です。「えっと、どれもできると思います。何となく」という当時の私の答えは、相手の知りたいポイントに何も答えていないのでゼロ点です(笑)。

また、OBOG訪問が有利か、という質問については、志望度を測るために、熱心なOBOG訪問をカウントする会社があっても不思議ではないでしょう。しかし、そのような会社があったとしても、数を打てばいいかは微妙でしょう。社員は、訪問内容を人事にレポートするはずですから、内容がイマイチであればマイナスの評価がついてしまいます。実りあるお話しを伺うためには、それなりに準備が必要なものです。

あと、会社はこれら3つをどれも見ています。「これまでの面接では、準備が不十分な志望動機は聞かれなかったけど、自分のエピソードはばっちりアピールできて良かった!」と思ったら、最終面接で志望動機ばかり聞かれるということは十分にあり得ます。志望度の高い会社には、きちんと3つともアピールできるように準備しましょう。

まとめ

  • 会社が見ているのは、あなたに当社で活躍する能力や資質があるか、あなたは当社の社員とうまくやっていけるか、あなたは当社に入社してくれるか(そして、長く働いてくれそうか)の3つ。
  • ESや質問の裏には、これら3つを確かめたいという意図が必ずある。
  • 会社は3つを全部見る。一部ではないので、足りないところがあったらちゃんと準備しよう。

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Photo credit: Colin_K via VisualHunt / CC BY