仕事ができるようになるとはどういうことか(その2)

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Original: Camera Eye Photography / Flickr

以前、「仕事ができるようになるとはどういうことか」というエントリーを書きました。その時は、仕事を「要素」で区切って考えてみましたが、今回はもう少し「時系列的に」仕事ができるようになる段階を整理してみたいと思います。これを書いてみようと思ったきっかけは、新しい職場に自分もなじみながら、一方でより若い人の育成にも気を配る中で、改めて仕事ができるようになるとはどういうことなんだろうと考えたところによります。

仕事で飛び交う言葉が理解できるようになる

まず、新しい職場では飛び交っている言葉の意味が理解できないことが多くあります。それは、業界の言葉かもしれないし、その職場に独特の言葉かもしれません。まずは言葉の意味を理解できるようになるところから仕事はスタートするのかなと思います。

単純な指示された仕事をこなせるようになる

言葉の理解と並行して取り組むのが、まずは指示された内容を完了できるようになることでしょうか。「これをこうやってこういうものを用意して」と指示されても、はじめはうまくできないもの。だんだんとできてくると喜びも大きいですね。

指示された場合に、指示された内容以外の工夫もしてクオリティ高くアウトプットできるようになる

そんなこんなで指示された内容に取り組みながら、だんだんとそれぞれのタスクのコツがわかってきます。また、Aをやってくれと言われた場合に、それに付随してBとCもやるといったことがわかってくると、指示する方も手間が減って仕事を頼みやすくなってきます。工夫をしてアウトプットの質を常に高く保つことも重要。

タスクや言葉の裏にある目的を徐々に理解して工夫できるようになる

このようなプロセスを経てだんだんと「言われたことを工夫してしっかりできる人」になるわけですが、次はある仕事や言葉(自分の上司であったり顧客であったり)の裏にある「目的」をどれだけ理解するというフェーズに入るのかなと思います。ある言葉の裏には目的があり、話している本人も目的をすべて言葉にできていないことが多々あります。そういった目的を汲んで(あるいはしっかりと確認してくれて)、頼んだこと以上のアウトプットをしてくれるととてもありがたいもの。

また、この段階まで来ると「仕事をやりきること」も重要です。最後までやりきらない人は、必ずどこかで仕事の成長が頭打ちになります。逆に、面倒なことや難しいことを最後まで責任を持ってやりきると、力も付きますし、本人の評価も上がります。

まわりの人の行動の裏の複雑な背景や目的を理解して打ち手を打てるように

さらに高みになると、自分のまわりの人の行動の裏にある背景や目的を自分なりに解釈できるようになります。それらを自分なりに理解した上で、打ち手を仕掛けられるようになればかなりの高レベル。さらに、目標を定めて、会社、あるいは業界単位で仕掛けをできるようになると、その道のプロとして広く認知されるようになります。

はじめは「言われたことをやる人」ですが、だんだんと「仕事を自走して片づけられる人」になり、さらに「自ら問題を発見して解決していける人」まで行くと、ひとつの仕事のキャリアとしては頂上まで登ったことになります。それなりのレベルで自走できるようになるには、仕事にもよりますが1~3年かかるのではないかと思いますが、最後の自ら問題を発見し解決していける段階になるには、もっと長く、5年~10年ぐらいかかるのではないかというのが私の感覚です。その意味では、ここまで達するにはある仕事に継続してコミットすることも大事だと感じる今日この頃です。